漫画論

ツンデレに学ぶ、面白いストーリーの作り方

執筆者:佐佐木あつし

キャラクターの二面性は作品作りの黄金パターン

「普段はツンツンと澄ました態度を取るが、思いもしない瞬間にデレデレといちゃつく少女」
「普段は越後のちりめん問屋の頑固な隠居、いざとなったら天下の副将軍水戸光圀公」

これらキャラクターの二面性は 、今までのアニメや漫画の中でも随所にみられる。

ウルトラマン、スーパーマンを始め、デビルマンに名探偵コナン、ブラックジャック等、 枚挙に暇がない。

ある意味、作品作りにおいての黄金パターンの一つだ。

面白いストーリーの正体は「どんでん返し」だ!

だが、この

「実は何々・・」

というキーワードは単にキャラクターを作る時のみの 手法の一つでは済まないモノがある。

たとえば、新人さんが漫画を作る時。

魅力的なキャラクターや新鮮なストーリーを発案し、実際のアイデアからいわゆるネームという、漫画の骨子を考える時、ストーリーの始まり方などではどれほど読者を驚かせようかとありったけの知恵を絞る。

もちろんストーリーの始まりは非常に重要である。
ゆえに見た事もないプロローグを作ろうと躍起になる。

ここまではいいのだ。

しかし、まだまだ実力が伴わない新人さんは、この段階で失速する事がある。

取り合えず描き始めたネームは、最初の勢いはいいのだが、徐々に「どこかで見たような展開」になっていくのである。

それはトンネルでいえば、入り口はしっかりしてるものの、進んでいくと徐々に出口付近は頼りなく、下手をすれば灯りさえついてないような狭く暗い出口のトンネルのようなものだ。

実はこの出口付近・・

いわゆる「どんでん返し」の部分でどれほどの頭を悩ましたのかが勝負になるのに、其処が疎かになってしまうと、せっかく思いついた良いキャラクターもプロローグも台無しになってしまう。

映画などを見た時にいわゆる「予定調和」、あるいは「先が見え見え」の作品をどう評価するか?

先のわかった作品を面白いと感じるだろうか?

面白いモノは、
「先が見えないドキドキ感であり」
「見る側が予測する展開をいい意味で何度も裏切った先にあるカタルシス」
が必ず存在する。

「意外性」の有効性は漫画だけに限った話じゃない。

また、恋愛においても、この「実は何々・・」というキーワードは非常に有効な作用を起こす事がある。

たとえば、
大昔の少女漫画などでよく使われた手法などでは、

不良と思われた男の子が雨の中(なぜか必ず雨の中)、捨て犬を拾うシーンを見る主人公の少女(笑)が、その優しさを垣間見て恋心を抱く・・

これに似たような事例は今でも現実に、其処此処で様々なカップル達の間で展開されているだろう。
(雨の中の子犬はさすがに無いだろうけど(〃 ̄ー ̄〃)

こうして、
ツンデレと水戸黄門に隠された共通項は、漫画製作はもとより実生活にも活躍するのだった。

ツンデレ女性
写真:ぱくたそ

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