漫画の感想

『銀河英雄伝説』を読んだ感想(ネタバレ)

執筆者:おでん

二人の英雄、ラインハルト・フォン・ローエングラム伯爵とヤン・ウェンリー大佐

銀河英雄伝説といえば、田中芳樹の大ベストセラー小説ですが、これを原作としたアニメ、漫画から入ったという人も多いと思います。
私も昔、テレビでアニメ版を見た記憶はありますが、漫画版を読んだことがなかったので、道原かつみ作画のChara COMICS版をKindleで買って読んだところ、面白すぎて全11巻イッキに読んでしまいました。

銀河英雄伝説
出典:『銀河英雄伝説』(田中芳樹/原作 道原かつみ/作画 徳間書店/発行)
※以下出典同じ

※以下、ネタバレ含みますのでご注意ください。

全銀河系を舞台に帝国軍と同盟軍の150年戦争に突如現れた二人の天才軍略家、帝国軍のラインハルト・フォン・ローエングラム伯爵同盟軍のヤン・ウェンリー大佐。「銀河英雄伝説」の魅力はこの二人の主人公が、卓越した戦術眼で敵をバッサバッサと手玉に取る様子がスカッと爽快なところにあると思います。

一回の戦争で死者150万人!とかいう馬鹿げたスケールで二人の天才が知略を尽くして戦う姿に、私もついつい財布の紐が緩んで全巻大人買いしてしまいました。。(とほほ)

(余談ですが、Kindleは1クリックで簡単に買えるから、夜中にハマった日にゃそのまま朝まで全巻大人買いに突入するので、財布にも睡眠にもマジやばいです!)

考え方も立場も全く違う二人、この二人の英雄の活躍を軸に、多くの人間ドラマを紡ぎながら物語は進んでいきます。

銀河英雄伝説-ラインハルトとヤン・ウェンリー
ラインハルト(上)とヤン・ウェンリー(下)

しかーし!

しかしです、ここで忘れちゃいけないことがあります。

確かに二人は「戦争の天才」「エル・ファシルの英雄」などと両陣営から一身に賞賛、崇拝を集めますよ、確かに。
しかし二人の天才が天才のように見える所以は、彼らの戦術にまんまとハマる敵がいてこそです。
「名脇役」たちが、ここぞという場面で見事な判断ミスをするからこそ、二人の天才が引き立つんです。

銀河英雄伝説の面白さは名もなき敵将にあり

勝つ側があれば必ず負ける側があります。
「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」とは野村監督の名言です。
ラインハルトとヤン・ウェンリーが勝ち続けるのも、負ける側に負ける理由があったから、負けるような判断ミスをしたからです。それも相当分かりやすく^^;

でもソレ、わたくし全然否定しません!
なぜなら、おかげでスッキリした読了感が味わえたわけですから。
(お金はちょっと惜しいですが・・)
これが逆に、主人公が勝ったり負けたり、スゴいのかスゴくないのか、やるのかやらないのか…なんて感じじゃ、読んでる方は納得しませんよ、金返せって話ですよ!
(スイマセン、お金の話ばかりで・・)

アスターテ会戦

たとえば、本書1巻の最大の見どころ「アスターテ会戦」。
この戦いは同盟軍4万艦(多っ!)に対し帝国軍2万艦と、同盟軍有利に始まります。
しかし同盟軍の包囲が完成する前に、ラインハルトは敵三艦隊を各個撃破することで同盟軍を危機に陥れます。

この戦いで同盟軍を指揮したのがパエッタ中将。
↓3コマ目の紳士です。

銀河英雄伝説-パエッタ中将

その結果…↓

銀河英雄伝説-アスターテ会戦


どうですか!
スカッとしますねー^^

漫画はこうでなくっちゃ!

ラインハルトの見事な戦術により残り一艦隊となった同盟軍。
総司令官のパエッタ中将は戦死、急きょ同盟軍の指揮を執るヤン・ウェンリー。
ヤンの智謀により同盟軍は反転攻勢に出る中、立ち向かうのは帝国軍のエルラッハ提督。
↓5コマ目のナイスミドルです。

銀河英雄伝説-エルラッハ提督

そして...↓

銀河英雄伝説-エルラッハ提督戦死

ヤン・ウェンリーだけでなくラインハルトも引き立てながら戦死する名脇役っぷり。
見事です。

イゼルローン攻略戦

次に「銀河英雄伝説」前半のハイライト、イゼルローン攻略戦です。

帝国と同盟の間にある唯一の艦船通過可能宙域「イゼルローン回廊」。
そこに立ちはだかる帝国軍の鉄壁の要塞「イゼルローン要塞」。
29年間、同盟軍兵士数百万人の血を犠牲にしても陥とせなかったイゼルローン要塞攻略を命じられたヤン・ウェンリーは、わずか半個艦隊で一滴の血も流すことなくイゼルローンを攻略します。

ヤンは、まず艦隊を引き離した後に要塞を乗っ取る計画を立てます。
ここでヤンの知略を引き立てる際立った働きをするのが、帝国軍のゼークト提督
↓ヒゲのおっさんです。

銀河英雄伝説-ゼークト提督

見事にヤンの策略に乗っかります。

銀河英雄伝説-ゼークト提督全艦回頭

↑ヤンは次に、ゼークト提督の艦隊を要塞におびき寄せます。

銀河英雄伝説-ゼークト提督「叛乱軍め...」

気持ちいいほどの手の平で転がされっぷりです。
そんな愛すべきゼークト提督ですが、最後はやはり死んでしまいます。。

フォーク准将

念願のイゼルローン要塞を攻略した同盟軍は、帝国領内に八個艦隊3000万人の兵力で大攻勢をかけます。
この作戦を立案したのがフォーク准将
↓一コマ目です。

銀河英雄伝説-フォーク准将

 

自信満々で嫌な感じのヤツですね! 
ヤな予感しかしません。。

案の定、戦いが始まるとラインハルトの方が一枚上手。
帝国軍は首都星オーディンから一歩も出ず、同盟軍の兵站が伸びきったところで輸送船を叩くラインハルトの術中にまんまとハマってしまう同盟軍。

撤退を進言する前線指揮官に対してもイヤミーな感じで断るフォーク准将
…いい味出してます!

そして始まる帝国軍の大逆襲!
同盟軍はラインハルトの智謀の前に2000万人の犠牲(多すぎ!)を出しつつ、撤退するのでした。。

ちなみにヤン・ウェンリーは、局地戦で見事勝利。
対面した帝国軍のビッテンフェルト提督の状況判断ミスを突いて・・

こんな感じに、ラインハルトとヤン・ウェンリー二人の活躍の影には、必ずそれを引き立てる敵将あり。
誰からも賞賛されず、敗軍の将として憎まれ、読者にも忘れ去られる彼らこそ、ラインハルトとヤン・ウェンリー、ひいては銀河英雄伝説を偉大な作品たらしめているとワタクシは言いたい!!
・・思わず熱くなってしまいましたが、そんな脇役に注目して漫画を読むのも面白いですね^^

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